在宅と、救急と、

救命センターのICUで高度医療を行いながら、在宅往診で自宅看取りを行う専攻医の内省とつぶやき

どんな時も、救いたい命があって どうしても、救えない命がある ICUのベッドも、家の畳も 僕にとって、大切な空間のように思う。

生活の柄/高田渡

  • 医者になって
    結構な年月が経った

    今ではだいたいの事が
    自分1人で出来て
    それっぽい事を研修医に伝え
    それなりの技術をもって
    患者(あるいはその家族)の
    ナラティブの中で存在する
    「良き登場人物」に
    なれるようになった

    (と、思っている。)


    ☆☆☆☆☆☆
    よく病棟の看護師から
    『病状説明、本当に上手ですね。』
    と、言われる。


    詩の集い、というネット上のサークルで
  • 10年ものあいだ
    言葉で遊んできた経験が
    生きているのかな、とも思う。

    そんなこともないか

  • ☆☆☆☆☆☆
    さて、
    ありきたりな話になるけれど
    時計回りにしか生きられない
    現代の中で
    過去の生活、ことば、匂い、
    あの時伝えられなかった、感情

    そういったものを
    頼りにして生きていると
    どうしてもちぐはぐになってしまう
    事がある

    それが心地よく感じる夜は
    秋は夜長に、、となり
    そうでなければ、
    とても肌寒く、かじかんでいくのだと思う


    ☆☆☆☆☆
    『病状説明、上手ですね。』
    という
    言葉の裏を
    探ってみる。

    結局僕は
    なにかにつけて
    『そうじゃなかった時』を恐れ
    『ああ言っておけば…』という後悔を
    とても多く積み上げてきた
    そんな人生なのだと思う。


    だから
    時計とは反対向きになぞられていく
    少しおかしな感覚の中に
    患者(と、その家族)を引き込み
    『物語』としての医療を
    より濃く、より強く、より悲しく
    そしてより充実した(ように見せかけて)
    提供しているのだろう

    (と、僕は思っている。)


    ☆☆☆☆☆
    ここまで、
    殴り書きのように書いて

    疲れたから
    今日はここまでにする


    ☆☆☆☆☆☆
    気づけばまた、時計回り
    針が30分ほど進み
    僕の頭をこついて
  • 逃げていく
  • 今日の一曲「生活の柄/高田渡
  • 結局、歩き疲れては草に埋もれて
  • ところかまわず寝たいのだろう と思う